三日目
この展示会に際して、自分が見つけてきた、古いおちょこを「こちょこ」と題しました。
「ちょこ」というと、その言葉の意味の幅はとても広くて、蚤の市などで100円で売ってるような昭和レトロな磁器から、伊万里の蕎麦猪口、陶器の盃までさまざまです。
前に、奈良の行きつけの骨董屋さんで3000円の蕎麦猪口を買ったあと、ふと、味のついた瀬戸焼の盃に目がとまり、値段を聞くと「35000円」と言われ、にわかにギョッとしました。
こすけてキズもあるのに、こんな小っちゃいものがずいぶん高いんだな、と目を丸くしていると、それを察したように店主が言うには、
「『酒器』という分野がありましてな、いわゆる『ちょこ』とは違うんですわ。この酒器を好む人たちがこれを買うんです。」
値段もさることながら、「酒器」て怪しくて面白い世界だな、と思った次第です。
今回は、「酒器」ほど高価でないにせよ、ちょっと古くて、ユニークで、面白い「ちょこ」を選んできました。名づけて「こちょこ」です。
小代焼 盃 江戸後期
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