2019年3月24日日曜日

いにま陶房 器展、本日もOpenしています。

spring snow
春の雪

3月下旬の釧路は、まだ寒く、雪も降り積ります。
本州の、桜の蕾が膨らんでくるような陽気より、未だ厳しく暖かくなるのを辛抱しながら待っているような気候です。
この時期の外の世界は、薄曇りの灰色の中に、少し朱がかった暖色が混ざったように見えるのは、春先の機微なのでしょうか。

いにま陶房の鈴木さんご夫婦の作る器は、機微、に包まれているように思うのです。
例えば、雄一郎さんの作るマグカップの口当たりの部分はなだらかな段がありますが、しっかりと軽く飲み物を飲める作りです。取っ手は一見薄いようで幅広で、人差し指を通した時のしっかりとした頑丈さを感じながらヒョイと持ち上げることができます。
智子さんの型成形によって作るオーバル皿は、手捏ねでありながら縁の角度や線がきっぱりとして、柔らかだけど、その手触りから自然の土の強さが伝わってきます。

各々でたんたんと器作りという労働をしている、と仰る二人の器は造形も、色合いも質感も異なりますが、いざ食卓に他の器と一緒に置いてみると、不思議な調和が流れています。

ものとものとの隙間にある小さな点を充填するようなこの機微は、「ものを作ること」と向かい合い続ける二人の本質から生まれているような気がするのは私だけでしょうか。

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