2021年11月14日日曜日

こちょことこしょ

11月23-28日


こしょ

城市郎 発禁本 福武文庫
「発禁本」というワードを調べてみると、
「国家によって出版、発売が禁止された図書。発売禁止本の略。一般的には、社会秩序や風俗を乱す、または宗教的に不適切であるなどの理由によって禁止される」とあります。
そんな発禁本のコレクターである著者によって、明治から昭和時代にかけて発売・頒布の禁止処分を受けた書物と、発禁となった経緯について書かれたのが本書です。
川島さんによれば「発禁本はエロ系か政治系に大別される」のだとか。
中でも自分がショックを受けたのは、昭和初期のプロレタリア作家である小林多喜二の発禁本についてでした。
「発売直後に、多喜二は小樽警察に呼ばれて取り調べを受けますが、官憲が目クジラ立てたのは特に、次のカニ缶の献上品云々の部分です。(中略)
『俺達の本当の血と汗を搾り上げて作るものだ。フン さぞうめえこったろ。食ってしまってから、腹痛でも起こさねばいいさ』(中略)『石ころでも入れておけ!ー構うもんか!』
(一九二八年三月十五日・蟹工船 小林多喜二)」




2021年11月13日土曜日

こちょことこしょ

 

11月23日-28日
こちょこ
和ガラスのちょこ
取手付きは明治から大正時代のアイスクリームを容れるグラス。ちっちゃい!
当時はアイスクリームは貴重で高価な食べものだったんでしょうね。
あと二つは昭和初期から戦前のもの。
右端のグラスはカケを金で繕っています。
古いガラスの揺らぎや手触りは不思議とあたたかみがあります。





2021年11月12日金曜日

こちょことこしょ

 11月23-28日


こしょ

紀田順一郎編 書物愛 [日本篇]
「老人は本をまず奥付から開き、軽くうなずくと次に値段を見て本を閉じた。そして本には目もくれず、草履ばきの足で、すたすたとレジの方へ歩いて行った。その本に関して老人は、それ以上の行動をしなかった。(横田順彌 著 古書狩り)」
ゾウリばきもさることながら、巻末ページを見ただけでうなずけるとは。
本という書物と対話しているような、それくらいにひとりの世界を持っている人なんでしょうか。


こちょこ
伊万里 吹き墨筒 明治時代
明治になると、ドイツからベロ藍と呼ばれるコバルトブルーの染料が輸入され、江戸時代に比べてグンと鮮やかなブルーになります。
「ベルリン藍」がなまって「ベロ藍」になったそうな。
吹き墨とは染料を吹き付ける装飾技法。



2021年11月10日水曜日

こちょことこしょ

 11月23-28日

こしょ
ランティエ叢書の本ばかり紹介していますが、
「こちょことこしょ」に合うようなスパイスの効いた小本をと川島さんに相談したところ、出してきたのがこのシリーズで、ビビッときました。
角川書店を出た角川春樹さんが新しい出版社を立ち上げ、その第一弾として出版したのが、ランティエ叢書シリーズです。
「不良」が自らの人生の大きなテーマになっている角川さんがセレクトした、有名作家であっても、
社会から外れたアウトローな臭いのする小説やエッセイをまとめた内容です。
キレイじゃない絵を描く、飯野和好さんによる帯イラストのインパクトも素晴らしい。
太宰治 父の言いぶん
「ゲスな云い方をするけれども、妻子が可愛いだけじゃねえか。(如是我聞)」






2021年11月8日月曜日

こちょことこしょ

 11月23−28日


こしょ

北大路魯山人 魯山人(ろさんじん)の食卓 ランティエ叢書
「私の考えていることは日常生活の美化である。日々の家庭料理をいかに美しくしていくかということである」
「食うために生きた」美食道楽として知られる魯山人による、献立とその心得を書き記した独自のレシピ本です。
握り寿司に鰻、茶漬けや雑炊に鍋料理など、技巧よりも素材を生かす日本料理を常に念頭においていたことがうかがえます。
「日本人が常に刺身を愛し、常食するゆえんは、自然の味、天然の味、すなわち加工の味以上に尊重するところである、と私は思っている」


こちょこ
献上唐津 印花紋皿(平盃) 19世紀




2021年11月6日土曜日

こちょことこしょ

 


こちょこ 
日本人は小さいものを好む傾向がある、と聞いたことがあります。
写真の「ちょこ」は明治時代に作られた煎茶碗ですが、
しばしばお酒を呑む器として見立てられます。
しかし酒器を好きな人=お酒好きかというと、そうでもない。
本当のお酒好きの人はこんなミニチュアの器では呑んだ気がしないでしょう。
ゴツめのガラスコップや湯のみになみなみと注いでガブガブ飲めれば十分と思います。
逆に酒器好きはそれでは物足りない。
このちっぽけな器の色や形、感触を吟味しながら、チビチビ呑み進めます。
お酒と同時に器に酔っ払う感覚、かもしれません。
そうすると器好きはやはり一種の変態ですね。
阿漕(あこぎ)焼 19世紀





2021年11月5日金曜日

こちょことこしょ

 11月23ー28日

今日から随時こちょことこしょを紹介していきます。


植草甚一 古本とジャズ ランティエ叢書
映画・ジャズ評論家として知られた植草甚一による60歳を過ぎてのニューヨーク滞在記などを綴ったエッセイ集。
この植草さん、明治生まれの日本人(1908年ー1979年)とは思えぬファッションセンス!


「雑学のフーテン老人」と古書かわしまの川島さんが称する、この方の多才さ、映画評論はもちろん1960年代後半-70年代の日本にサブカルチャーを普及させた一人である云々はウィキペディアなどで検索してみてください。
口語調で書かれるエッセイの文章もフットワーク軽いです。
「けれどこんどニューヨークへ一緒についていくことになると、むこうではコーヒーばかり飲んで暮らさなければならない。アイスクリームばかりってわけにはいかないだろう。それで自分からすすんでコーヒーを飲む練習を始めたんだけれど、そうするとニューヨーク行きって楽じゃないなあ」

2021年11月3日水曜日

遅くなりましたが、

 Autumn Warm 終了しました。誠にありがとうございました。

そしてお次は、芸術の秋に相応しい?
古書かわしま @946kosyokawashima とのコラボ展、「こちょことこしょ」です!


写真の通り、店主川島さんも可愛い「小書」の選定に余念がありません。こけしも不思議げな面持ち。
「縮み」志向の日本人、、なんと興味深い。
☟以下は川島さんによる紹介文です。

11月23日(火・祝)~28日(日)、市内鳥取大通8のsendさん @sendkushiro にて販売会「こちょことこしょ」が開かれます。
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sendの髙比良さんが見つけてきた古い猪口と、古書かわしまの文庫本、すなわち両店選抜の「ちっちゃいものクラブ」が一堂に会するのでございます。
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初日はライブトーク「ちょこしょ」なる催しあり。小中高とお世話になった文庫本持参で私もお邪魔します。
よろしければ参加なさる方もご自身の愛読書をお持ちください(強制ではありません)。
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ただいまそれに向けて、文庫本やちっちゃいものに関する本をあれこれ繙いているところ。いわゆるひとつの<泥縄式読書法>の実践であります。

2021年10月31日日曜日

最終日です!

 Autumn Warm

先日お知らせした通り、本日も営業いたします。最終日です!
明日11月1日(月)はお休みさせていただきます。
選挙の帰りなどに立ち寄っていただけると嬉しいです。
イギリスヴィンテージのボウル
ネコヤナギの柄が素敵!
シチューを入れたいですね。





2021年10月30日土曜日

こんにちは。

 

Autumun Warm
イギリス・ヴィンテージのカップ&ソーサー。
Royal Victoria社のWild Country シリーズより。
イギリスではお馴染みの、寒さに強い木生シダ植物、ディグソニアの紋様、シンプルで可愛し。
容量もたっぷり。
今ならもちろんホットチョコレートですね!
Cup w8cm h7cm Saucer w16 h2cm
食洗機、レンチンOK




2021年10月28日木曜日

Autumun Warm

 四日目

カシミア・フリンジ・マフラー
loomerのスタッフが直接モンゴルに赴き、選定した高品質のカシミアが使われています。
くるまれていると冬眠できそう?な柔らかさと軽さです。
ボリュームあるフリンジも愛嬌があります。






久しぶりに

古物のご紹介 酒注ぎにピッタリサイズの片口 生れは瀬戸という方があれば、いやいや山陰の出だという方もあり、はたまた東北という方も… まあざっくり明治時代の民窯ということで。かわいいヤツです 径11.5cm 高さ7cm